乾燥するとなぜ日持ちする?食品の腐敗と水分活性の関係性

  • シェア
  • twitter
おはようございます。佳秀ヘルスケア研究開発の松木です。
さて、ドライフルーツは生の果物に比べて保存性に優れていることで旬を問わず食べることができます。
実際に、店頭に並んでいるドライフルーツを見ると賞味期限が半年ほどのものをよく見かけます。
生の果物ではこうはいきません。
なぜ、乾燥すると保存性が高まるのか?
今回は食品の保存性を知るうえで重要な要素である「水分活性」をテーマにお話ししたいと思います。

目次

  • 食品が腐る=微生物が増える
  • 水分活性は全水分中の「自由水」の割合を示す指標
  • 水分活性と微生物繁殖の関係性
  • さいごに

食品が腐る=微生物が増える

食品が腐るということは、つまり微生物が繁殖しているということです。
微生物が繁殖する要素としては、栄養、温度、そして水の存在が重要になってきます。
食品中の水分を減少させていけば、微生物の繁殖能力も低下してきますので、食品が腐るのを防ぐことができます。

魚の干物や、干し柿など、昔の人たちはこの特性を利用して食品を乾燥させて、保存性をよくしていたのです。
乾燥以外にも、食品が腐るのを防ぐ方法があります。
塩漬と砂糖漬です。塩漬の代表としては漬物、砂糖漬にはジャムがあります。
これらの方法でも水分量は少し減少しますが、乾燥ほど減少するわけではありません。
塩や砂糖で水分濃度が薄まることで微生物の繁殖を抑えるといった方法です。

水分活性は全水分中の「自由水」の割合を示す指標

さて、ここで重量な水分ですが、食品中には「自由水」と「結合水」なるものが存在します。
この違いは何でしょうか?
結合水とは、食品中の成分と水素結合という形で結びついている水分で、動きが束縛されています。
乾燥をしてもこの結合水は簡単には蒸発しません。

自由水とは、食品中の成分と結合せずに、自由に移動できる水分です。
そして、微生物が増殖するのに利用する水分はこの自由水になります。

水分活性とは、自由水の全水分中における割合を示したものになります。
水分活性は次の式で示されます。

純水では自由水が100%ですので、純水の水分活性(Aw)は1.00(=P0/P0)です。
水分活性は1.00に近いほど自由水の割合が多いということになります。

水分活性と微生物繁殖の関係性

水分活性が自由水の割合を示しており、微生物繁殖と密接な関係であることをお分かりいただけたと思います。
つまり水分活性は、食品の鮮度や保存性を予測できる指標のひとつになっているのです。
以下に、水分活性の値と繁殖する微生物の関係を示します。

ご覧いただいたように、水分活性の値によって繁殖する微生物が変わってきます。
微生物には、大腸菌やサルモネラ菌などの湿った環境を好むものや、カビや酵母の中でも乾燥気味の環境を好むものなど、種類は様々です。
基本的には水分活性が0.6を下回ると微生物の繁殖を防ぐことができると考えられています。
乾燥野菜や乾麺などは0.5くらいに設定されています。

この数値をもとに、鮮度を維持できる保存条件や保存環境を調査し、設定しているのです。
また、添加する保存料などの適正な種類や量を見極めることも可能です。
加工食肉などの一部の食品のように食品衛生法で水分活性が定められているものもあります。

さいごに

今回は、食品の保存性の指標の一つである水分活性に着目してきました。
水分活性は、食品の保存性の設計、微生物繁殖の予測などに使われています。
日々の生活の中で水分活性を意識することはありませんが、なぜ、乾燥すると日持ちがよくなるのか、食品が腐るとはどういうことなのか、お分かりいただけたのではないでしょうか。
そんなことを頭の片隅に置きながら、ドライフルーツなどの乾燥食品をうまく生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考文献
三瀬勝利. “水分活性と食品衛生.” 調理科学誌, 25.4 (1992): 327-323.
諸角聖,藤川浩,和宇慶朝昭,千葉隆司. “食品のカ ビ汚染と防止対策.” 東京健安研セ年報,55 (2004): 3‒12.

The following two tabs change content below.
matsuki_takahiro

matsuki_takahiro

佳秀工業株式会社ヘルスケア事業部・研究開発担当の松木です。美と健康を応援するブランド「GENPRESS(ジェンプレス)」では研究・開発に携わっております。大学や研究機関との共同研究の成果をもとに、高濃度・高品質なプラセンタの抽出に成功しました! 趣味はサッカー(フットサル)・自転車・天体観測・読書で、仕事とプライベートともに様々な分野に触れています。科学的な目線をもとに、皆様に分かりやすいお役立ちブログを発信していきます!

関連記事

最新記事

PAGE TOP
LINE it!