味噌の抗酸化力を高める加熱調理法と香辛料の使い方

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おはようございます。佳秀ヘルスケア研究開発の松木です。
前回ご紹介した味噌の抗酸化力について、今回さらに踏み込んでみます。
ある報告によると、味噌の調理法や添加する香辛料の種類によっても抗酸化力が変わってくるということです。

調理法による味噌の抗酸化力の変化

2007年に報告された論文によると、味噌は加熱することで抗酸化力が増大するといわれています。
ただし、電子レンジ加熱では変化がなかったとのことです。
これは前回ご紹介した味噌に含まれる抗酸化物質メラノイジンが調理中に増えるかどうかというものです。
電子レンジだと調理時間が短くメラノイジンがあまり作られなかったのでしょう。

一方で、メラノイジンの過剰摂取は糖尿病やアルツハイマー病の原因になるという報告もあります。
その点も踏まえると、味噌は煮る(100℃、10分)、炒める(140℃、4分)といった加熱調理法が健康への影響の面と味噌の風味や色合いの面でも好ましいといえます。
そしてこの論文で比較された焙る(180℃、2分)、缶詰処理(120℃、60分)のような高温での加熱、長時間の加熱はメラノイジンを過剰に作ってしまうことになりそうです。

添加する香辛料による味噌の抗酸化力の変化

同じ論文の中で、香辛料が味噌調理の際に抗酸化力に影響を与えるのではないかと検討されています。
検討された香辛料は、ショウガ、ニンニク、ゴマ、和がらしでこれら自身も抗酸化物質をもっています。

検討の結果、ショウガを入れて味噌を加熱調理したときに抗酸化力が増大したということです。
ニンニク、ゴマ、和がらしでは逆に低下してしまいました。
これらの香辛料がメラノイジンが作られるのを邪魔する働きをもっているのでしょう。

つまりショウガと味噌を合わせて加熱調理することで、相乗効果により抗酸化力の増大が期待できるということです。

メラノイジンが過剰に作られるのが気になる方はその他の香辛料と一緒に調理してみてください。

さいごに

気温も下がり、冬に突入する1歩手前まで来ている今日この頃です。
味噌汁にショウガを入れてみるのもいいかもしれません、抗酸化力と共に身体を温める効果も期待できます。
加えて、味噌汁に野菜などの色んな具材を入れることで多品目を摂取することができます。みなさんの食卓にもぜひレギュラー化させてみてはいかがでしょうか。

参考文献
松尾眞砂子; 人見英里. 味噌の種類・調理法および添加香辛料による抗酸化力の変化. 日本食品科学工学会誌, 2007, 54.11: 503-508.

化学的に解説:料理のさしすせそ、なぜこの順に使うのか?

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matsuki_takahiro

佳秀工業株式会社ヘルスケア事業部・研究開発担当の松木です。美と健康を応援するブランド「GENPRESS(ジェンプレス)」では研究・開発に携わっております。大学や研究機関との共同研究の成果をもとに、高濃度・高品質なプラセンタの抽出に成功しました! 趣味はサッカー(フットサル)・自転車・天体観測・読書で、仕事とプライベートともに様々な分野に触れています。科学的な目線をもとに、皆様に分かりやすいお役立ちブログを発信していきます!

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