日本人と宇宙飛行士の共通課題!ナトリウム(食塩)の摂取抑制

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おはようございます。佳秀ヘルスケア研究開発の松木です。
先日参加した、第40回日本臨床栄養学会総会の講演のなかでこんな話をききました。
宇宙食をテーマにしたシンポジウムの中で、宇宙で宇宙食を食す宇宙飛行士の栄養状態を見てみるとナトリウム(Na)濃度がそろって高くなっているとのことでした。
これは加工食品をよく食べる人も同じ傾向にあるとのことで、日本人はとくに過剰摂取気味にあるそうです。
そこで今回はナトリウムに着目してお話します。

ナトリウムの体内での働き

ナトリウムはおもに細胞外液にNa+(ナトリウムイオン)の状態で存在しています。
ナトリウムの多くは塩素と結合した食塩の形で摂取されるため、食品中の含有量も食塩相当量として示されることが多いです。
調味料に多く含まれており、宇宙食と同じく調味料をたっぷり使って作られている保存食や加工食品に特に多く含まれています。

ナトリウムの働き
・細胞内外の水分量を調整し、体内に適切な水分を保持する
・神経系の働きを正常に保つ
・筋肉の機能を正常に保つ

ナトリウム濃度は細胞内よりも細胞外の方が高くなっています。そのため、何らかの刺激で細胞膜にあるナトリウムが通る穴(ナトリウムチャネル)が開くと、ナトリウムが細胞内に流れ込みます。
流れ込むときに発生するエネルギーによって情報伝達などが行われ機能を発揮します。

ナトリウムと高血圧の関係について

冒頭でもいったように、現代の日本人はナトリウムの過剰摂取が問題となっています。
とくに昔から言われていることですが、血圧の上昇による高血圧症が問題となります。
高血圧は脳卒中のおおきな原因のひとつと言われています。
最近では減塩というワードが拡がっていますが、厚生労働省が行ったH29年の国民健康・栄養調査によると食塩摂取量の平均値は9.9g/日(男性:10.8g/日、女性:9.1g/日)であり、日本人の食事摂取基準(男性:8.0g/日未満、女性:7.0g/日未満)をまだ上回っています。

出典:「平成 29 年国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html)

WHOなどでは心臓病の予防のためには6g以下に減らすべきだと提案しています。

日本食はとくに塩分多めの傾向にあり、料理に使う塩やしょうゆの量を減らす必要があります。
また、加工食品であるハムや漬物、めんやパンなどにも塩分が多いです。
一方で、生鮮食品(自然食品)には塩はあまり入っていないので、積極的に摂取したいところです。
野菜や大豆などの生鮮食品には過剰に摂取したナトリウムの排泄を促進させるカリウムが多く含まれているのでなおさらおすすめです。

血圧高めの方は気を付けてみてください。

余談ですが、2017年に広島大学の研究者たちが発表した内容によると、みその塩分と同量の食塩を摂取すると血圧が上昇しますが、みそでは上昇しないということです。

さいごに

学会の講演でもいかに宇宙に滞在する宇宙飛行士に生鮮食品を食べさせるかが課題として挙がっていました。
地上にいる私たちが生鮮食品を摂取することはそんなに難しいことではありません、食事のバランスとともに、ナトリウム(食塩)の過剰摂取に気を付けましょう。

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matsuki_takahiro

佳秀工業株式会社ヘルスケア事業部・研究開発担当の松木です。美と健康を応援するブランド「GENPRESS(ジェンプレス)」では研究・開発に携わっております。大学や研究機関との共同研究の成果をもとに、高濃度・高品質なプラセンタの抽出に成功しました! 趣味はサッカー(フットサル)・自転車・天体観測・読書で、仕事とプライベートともに様々な分野に触れています。科学的な目線をもとに、皆様に分かりやすいお役立ちブログを発信していきます!

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