手湿疹が長引いた時、ニッケルアレルギーを疑ってみよう

おはようございます。佳秀ヘルスケアの松木です。
私の周りには、手湿疹で悩んでいる人が多くいます。父や妻もその一人です。
手湿疹の人は、皮膚科にかかってもいまいち原因が特定されずに、ステロイド薬を処方され、患部に塗り症状を抑えていたのではないでしょうか。
そんなとき、とある皮膚科でアレルギーテストを行ったところ、妻はニッケルアレルギーであることが分かりました。
そのお医者さん曰く、手湿疹で来院される人の約半分がニッケルを含む金属アレルギーだそうです。
そこで今回は、ニッケルアレルギーに着目してご紹介します。

ニッケルアレルギーを引き起こす原因

金属製のアクセサリー

ニッケルアレルギーを引き起こす要因として一番に考えられるのは、金属製のアクセサリー類です。
アクセサリーを身に付けた状態で汗をかくと、ニッケルが汗によって溶け出しニッケルイオンとなり、肌に染み込むという現象が起きます。
染み込んだニッケルは体内で異物として判断され、免疫機能が過剰に反応するとアレルギーとして手湿疹などの症状が発症します。
特にピアスは、より内部に触れるため反応しやすいとされており、よく汗をかく方は注意が必要です。
このような反応は、ニッケルに限らずその他の金属でも同様です。

銀歯などの詰め物

金属製のアクセサリーと同様に、歯の治療等で使用する銀歯によりアレルギー反応を示す場合があります。
銀歯は様々な金属で構成されていますが、ニッケルが含まれていることもあります。
メカニズムは同様に唾液によって溶け出したニッケルイオンが体内に侵入することにより起こります。
合わないと感じた方は、別の素材に変えてもらうようにしましょう。

食品中に含まれるニッケル

鉄や亜鉛のように、ニッケルも一部の食品に含まれています。
特に、カカオ類やナッツ類及び豆類は食品の中でも特にニッケルを多く含む食品として知られています。
その他、玄米や野菜（ほうれん草、キャベツ、カボチャなど）、また海藻類全般にも含まれています。
これらの食品全てを生活の中から排除するのは難しいかと思います。
しかし、摂取を控えめにすることで手湿疹の症状を和らげることができます。
コーヒーをよく飲まれる方、チョコレートをよく食べる方は注意が必要です。
どうしてもチョコレートを食べたくなったら、ホワイトチョコレートを選びましょう。
ブラックチョコレートと比べて、ニッケルの含有量が1/100と低いです。

さいごに

手湿疹が長引きお悩みの方は、ニッケルアレルギーを疑ってみてください。
皮膚科に行くと、パッチテストといって複数のアレルギー物質をチェックすることができます。
ニッケル以外のアレルギーも見つかるかもしれません。
妻もニッケルアレルギーが判明した後は、大好きなチョコレートを控え、今では全く手湿疹が出なくなりました。

参考文献：小日山正剛; 兼松弘; 新谷勲. カカオ豆及びチョコレート製品に含まれる重金属, 特にニッケルについて. 日本食品工業学会誌, 1992, 39.7: 596-600.