プラセンタ原液を追求！　医薬部外品原料のプラセンタって何？

１．プラセンタ原液とは

「プラセンタエキス」はご存知だと思いますが、化粧品、医薬部外品に配合するための原料です。この原料を化粧品としてそのまま使用するものが「プラセンタ原液」です。

２．プラセンタ原液に定義はあるの？

定義ではありませんが、プラセンタ原液はそれ自体が「原料」であることが広く認識されています。しかし、法律などで決められたものではありません。一方で、公的に決められたプラセンタエキス原料はあります。それは「医薬部外品原料規格」という公定書に「プラセンタエキス（１）」、「プラセンタエキス（２）」、「プラセンタエキス（３）」として収載されたものです。

３．医薬部外品原料規格に適合するものがプラセンタ原液なのか

医薬部外品原料規格に準ずるプラセンタエキスは間違いなく「原料」です。したがって、「医薬部外品原料規格」に適合するプラセンタエキスをそのまま化粧品用にパッケージすれば「プラセンタ原液」となります。しかし、プラセンタ原液として一般に売られているものが、医薬部外品原料規格に準ずるものであるとは限りません。

４．医薬部外品原料規格に適合するプラセンタエキスとは？

医薬部外品原料規格に適合するプラセンタエキスは現在では「プラセンタエキス（１）」と「プラセンタエキス（３）」ですのでこれらについて紹介いたします。原料ですので、原料試験をしたという原料の成績書というものが必ず存在します。

1) プラセンタエキス（１）

・由来動物

プラセンタエキスの原材料となる胎盤は「ブタ」と指定しています。馬、牛、羊など他の動物ですと規格に準拠しません。

・抽出方法

胎盤を凍結・融解などの方法により得られるエキスと指定しています。例えば冷凍肉を解凍すると液がにじみ出ますが、それと似た感じです。冷凍することで細胞が壊され解凍すると細胞の液が細胞外に出てくる仕組みです。

・濃度

プラセンタエキス（１）の主な成分は蛋白質、ペプチド、アミノ酸です。これらは全て「Ｎ(窒素元素)」を持ちます。したがって、「Ｎ(窒素元素)」がプラセンタエキスの濃度の指標となります。プラセンタエキス（１）の窒素濃度は「0.01～0.40%」と規定されており、メーカーでは製造したエキスがこの濃度に適合するかを確認しています。

・ペプチド及びアミノ酸の含有確認

上記の「濃度」の項で測定した「Ｎ」がペプチドやアミノ酸由来のものであるかの確認をします。

・不純物

重金属やヒ素などが規定値以下であるかを確認しなければなりません。また、油溶性のホルモンも検出されないよう規定されています。

2) プラセンタエキス（３）

・由来動物

プラセンタエキスの原材料となる胎盤は「ブタ」と指定しています。他の動物ですと規格に準拠しません。

・抽出方法

胎盤を酵素分解などの方法により得られるエキスと指定しています。酵素は一般にプロテアーゼと呼ばれる蛋白質分解酵素を使います。胎盤の蛋白質を分解して水溶性にし抽出します。

・濃度

プラセンタエキス（３）の主な成分も蛋白質、ペプチド、アミノ酸です。これらは全て「Ｎ(窒素元素)」を持ちます。したがって、「Ｎ(窒素元素)」がプラセンタエキスの濃度の指標となります。プラセンタエキス（３）の窒素濃度は「0.15～0.48%」と規定されており、メーカーでは製造したエキスがこの濃度に適合するかを確認しています。

・ペプチド及びアミノ酸の含有確認

上記の「濃度」の項で測定した「Ｎ」がペプチドやアミノ酸由来のものであるかの確認をします。

・不純物

重金属やヒ素などが規定値以下であるかを確認しなければなりません。また、油溶性のホルモンも検出されないよう規定されています。

５．医薬部外品原料規格に適合しないプラセンタエキスについて

医薬部外品原料規格に適合しないプラセンタエキスは自主規格のプラセンタエキスです。国の認めた規格から外れるからといって粗悪なものであるというわけではありません。立派なエキスも多いと思います。ただ、中には成績書も出すことができないような粗悪なものもある可能性はあります。成績書の存在はそのプラセンタエキスがしっかり管理されているかどうかの目安にもなります。

６．まとめ

プラセンタ原液とは化粧品や医薬部外品に配合する原料であることを主張した製品です。製品の中身が「医薬部外品原料規格」に適合するものであれば間違いないでしょう。それを確かめるには、製品の中身の原料試験成績書を求めることが有効でありますので、是非、参考にしてみてください。